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外様



 元旦の夜明け前、長州では毎年、ある儀式が極秘に行われていた。

家来「 殿!もはや徳川家討伐の準備はできましたが、いかが致しましょう

殿「 いや。まだ機が熟せぬ

驚く無かれ。この儀式は、関が原から明治維新まで「 約 3 0 0 年 間 」絶えること無く続けられていたとのことだ。

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 ある我輩の知り合いとは、絶妙なところでシンクロしてしまうことがママあるようで、今朝もちょうどあることを調べていたら、それに関するメールが来た。もちろん我輩などとは比較にならない博学なので、助けられることはシバシバである。

 その調べていたこととは「 韓国の経済 」のことで、「 どうもヤバいらしいが、何がどうヤバいのだろう? 」ということだ。簡単に書くと(簡単にしか書けないだけだが)元々、外需依存な上、97年の通貨危機以降、IMFの介入により国内の銀行が全て(一行以外)外資にもっていかれ、さながら、バケツに穴を開けられたような状態。儲けても儲けても、外国に金が流れる仕組みになっており、その上のユーロ危機。政府が市場介入しても、全て外国に吸い上げられ打つ手なし、、、というところのようだ。(であってる?)

 「 どうせ、こんな状態だから 」という覚悟の表れだろうが「 10の産業のうち9食われても、1だけ残そう 」的な、自由貿易協定に対する積極性は、見方によっては潔さだろうが、その独立心の欠けることと言ったら甚だ呆れかえる。北朝鮮に遅れること60年。もう一つの李氏朝鮮が現代に甦りそうないきおいだ。

 地政学的な観点から言えば、それが彼らの生きる道であり、智慧なのだろう。「 歴史は繰り返す 」の言葉通り、遠からずまた破綻し、緩衝地帯がなくなっては困る日本が97年よろしく、再度保障/融資することで食いつなぐのだろうと思われる。「 こんなこと繰り返すんだったら、併合した方がまだましだ 」などとご先祖が考えたのも無理からぬことのように思える。

 そんなこんなで日本である。出し抜けに、

為替介入枠15兆円の拡大指示
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJAPAN-23429020110930

などというニュースが飛び交って「 また貢ぐのか! 」との怒りはもっともだ。しかし、「 先の大戦で負けた以上、日本は外様大名 」なのである。現代の日本がそれなりの繁栄を享受しているのは、今のこの「 秩序 」があるからに他ならず、いうなれば、駅前の一等地で屋台を出し、ショバ代をヤクザ(アメリカ)に払って稼がせてもらっている状態だから、そのショバ代を払わないというのであれば、その場所で商売をしないか、元締めのヤクザを追い落とし、自前で防衛するしかなくなる。

 かと言って、自分の屋台だけ防衛しても、別のところでイヤがらせが発生し客が来なくなるのは困るから、必然的に「 広範囲に包括的に防衛 」することが必要になってくる。問題はここで、そんなことをする程の経済的余裕もなければ、数々の海千山千を従えるほどの思想も、そこから派生する指導力もない。結局のところ、元締めのヤクザを追い落としたところで一番困るのは日本だったりする。

 そもそも、この行き方自体が、先の大戦における日本の失敗だったろうと思われる。資源が無いのは今に限らず、「 大東亜共栄圏という理想 」はあっても、思想はなかった。おそらく、よしんば勝ったところで、乱世は続いても、現在のような秩序は築けなかった可能性が高い。最終的には「 征夷大将軍(もちろん例えだが) 」となることで、平和を導き出そうとしただろうが、それを任命する「 天皇家(仮にバチカンであっても同じ) 」自体が、なんらの普遍性も持ち合わせていないからである。

 転じてアメリカが行ったことはと言えば「 資本主義vs社会主義 」すなわち、図式としては「 神vs悪魔 」の戦いであり、つまりは神話の世界の再現である。結果として導き出されるのは、既存の権威(天皇家)に承認された権力(征夷大将軍)ではなく、「 民主主義 」という新たな「 権威そのものの創出 」であろう。

 もし日本が、来るべき次の時代でキャスティングボードを握るときが来るのなら、

1.没落した「 民主主義の本家(アメリカ) 」から、「 征夷大将軍として統治を委任 」される。
2.薩長よろしく、犬猿の仲である「 日本と中国と結びつける龍馬のような人 」が現れる。

の2種しかないように思える。いずれにせよ「 アメリカの没落 」は最低条件だから、その時までは、「 多少のショバ代は我慢 」するしかないのだろう。さながら、「 江戸時代の薩摩・長州藩 」のように。

(2011年10月01日)

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