HOME > 怨霊日本史 > 0865年:【怪異】染殿后、天狗のために嬈乱せられたる話

0865年:【怪異】染殿后、天狗のために嬈乱せられたる話

-------------------------------今昔物語 20巻第7

 清和天皇の母、「 染殿后(そめどののきさき)(藤原 明子) 」が物の怪に悩まされていた。どんな祈祷を行っても効果がないので、金剛山に住む、高名な僧に依頼。評判に違わず、「 憑りついた老狐を見事退治 」。
 しかしこの僧、染殿后に魅了されたらしく、ついには「 染殿后を犯してしまう 」。
 侍医の「 当麻鴨継(たいまのかもつぐ) 」が、このことを清和天皇に報告。捕縛するが、謝罪するどころか、

死んでも鬼になって、再び后と睦んでやる!

と豪語。その後、追放。
 山に帰った僧は、断食し10日後に鬼となる。「 頭髪なく、肌は黒く、目は大きく飛び出、口は裂け、牙が並ぶ 」、、、まさにこの世のものとは思えない姿になった。
 その後、度々、宮中を訪れ、后と睦みあう。不思議なことに「 后は、この鬼を拒むことなく受け入れた 」。そして、宮中のもの達は、ただただ脅えて見届けるしかなかった。
 ほどなく恐怖に慄きながら、「 当麻鴨継(たいまのかもつぐ)は死亡 」。その息子たちも次々に狂い死に。
 しばらく現れなかったが、清和天皇の御前に現れ、「 人目もはばからず、后を犯し続けた 」という。

-------------------------------宇治拾遺物語(15巻第8)

 「 比叡山の高僧の相応和尚 」が、染殿后の物の怪を落とす為に宮中を訪れる。
 しかし、その「 鬼のように醜く、粗末な風貌から、怪訝に扱われた 」という。
 見事、物の怪を退治するが、その後の「 宮中からの呼び出しには、一切応じることはなかった 」。

-------------------------------相応和尚伝(比叡山)

 一度は挑戦するも効果なく、寺に篭り、「 不動明王に祈る 」。しかし、いくら祈っても「 明王は、相応に背を向ける 」。
 ある夜、相応の夢に現れた不動明王が、染殿后に憑りついた天狗の正体を明かし「 (紀僧正 真済(しんぜい)-真言宗) 」、

不動明王呪を持つため効果がない。大威徳呪をもちいれば効果がある。

とお告げ。
 言葉どおり、見事、「 天狗を捕縛/成仏 」に導き、染殿后も回復に向かったという。

比叡山(天台宗)と高野山(真言宗)の対立から、このような話が出来たのではないか?とのこと。

(2014年07月25日)

このエントリーをはてなブックマークに追加

問合せとか要望とか